紺色日記

@ohsakacの未推敲の考えごとなど

『違国日記』を通読した日の日記

2024.5.20

ほぼ1日かけて『違国日記』1巻~11巻を通読した。2年前くらいに読んだときには5巻あたりでストップしてしまったけれど、今読んだらどう感じるのだろう?という思いがずっとあったので、読む機会が訪れて嬉しい。

以前読んだときには、あるキャラクターの特性に自分を重ねて自己嫌悪に陥っては苦しくなる、そんな読み方をしていた。その点を開示して話していると、自分が起こした悪事/長く引っかかっている出来事について「なんとかしたい」という感情を抱き続けいつかどうにか実践しようとしている心は、ただ自分が楽になりたいだけなのだということを悟った。

「その罪を背負っていくしかないんじゃない?」という考え方を受け取りつつ通読した『違国日記』はあまり苦しくならなくて、前読んだときに生じた感情と全く異なった読後感になっている。朝の成長、1巻の槙生と朝のやり取りが10巻の最後に繰り返されるシーンとか分かって胸キューだし最終巻はうう…となった。

1巻を読んだとき、そういえばこれは“日記”の物語だったなとはっきりと意識させられて「ほんとうのことを書く必要もない」という槙生の言葉がすっと胸に落ちた。最近はひたすらに「ほんとうのこと」を書く文章に憧れがちだったけど、全てを書かなくても書かなかったことが無くなるわけではないし、そんなに全開にする必要もない。この意識を大事にしようと思った。ちまちま書いたり消したり。

巻数の多いシリーズ作品の通読という行為はもしかすると初めてかもしれない。連載と共に少しずつ単行本を買って読むことも楽しいけれど、通読ってとても良いなと思ったからこれから大切にしてゆきたい行為。贅沢で静かで癒される時間だった。

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