紺色日記

@ohsakacの未推敲の考えごとなど

知らないフェスに迷いこむ/パンとバラの中間

昨晩思いつきで連絡した弟との焼肉が今日に決まったので、お昼過ぎに都心へ向かう。電車の中で本読みの集中度が高まったため、時間調整のために井の頭公園に本を読みに行った。どこかしらには心地良く座れるだろうというスポット。

公園につくとテントが出ていて、何だろ〜とキョロキョロすると「吉祥寺音楽祭」「アートフェア」ののぼりが立っていた。土日は人が多いので敷地内に入るまで気付かなかった。知らず知らずの間に知らないフェスに迷い込む。偶然、昨日家で見た「PARKS」(井の頭公園でアマチュアの若者たちがLIVEをする映画)の世界線と完全に繋がって、さすがにテンションが上がる。

アートフェアの方は、おしゃれ盆栽を売っているテントの後ろの席で(おそらく)小学生の子が算数ドリルをだるそうに解いていたりして、心地の良い夏だね〜という風景だった。若い人が出店していたブースが目に留まり、鯖のポストカードと透けるワイヤーフラワーの額装を買う。あんまりこういうところで買ったことはないのだけど、イラスト良い〜となったし、販売している製作者の方が文庫本を読んで店番をしている姿に引きつけられたので。

野外ステージに少し近づき、知らないアーティストの知らない曲を耳に入れながらゆらゆら。ドラマに出てきそうなサブカル大人たちがたくさんいて、おお〜となる。誰かが飛ばしたシャボン玉が流れてきた。

木陰の下にある二人掛けベンチの片方が空いていて相席を了承してくれたので、若い女性と横並びで本を読む。知らない相席者は綿矢りさ、私はフェミニズム本。

井の頭公園のコツとして、見た目より以外と柵の座り心地が良いので、良さげなベンチが空いていないときは日陰の柵に座るべきという持論がある。日差しの強いベンチより木陰の柵。乗ってみると安定するし良い。私はよくそうやって本を読んでいる。今日はベンチと柵に座ったけど、柵のほうが好きかもしれない?

そして、私は私自身とデートする時間が必要だったのだと気づく。この文章を柵に腰掛けて書きながら。

他駅で弟と合流。おしゃれ自転車で登場した弟は、また見た目が変わっていて目の前に来るまで全く気付かなかった。前会ったときは狼のような黒髪長髪でパンクな格好。今日は赤髪短髪の高いジャージみたいな格好(Y2Kというやつなのかな)。

最近服を買う気力がなくて去年と同じ服を着ていると話すと「毎年流行りは変わるから追わないとねー」とやんわりたしなめられ、気が引き締まる。弟は服飾学校に通っているため、一対一で会うときはつい「私ここからどうすれば良いですかね?!」というふんわりトータルプロデュースアドバイスQ&Aみたいなことをしてしまう。

色々聞いてちょっとメモして、「バイト代から結構服にお金がかかるでしょ、きつい?」と言うと「でも、好きな服着てないと死んじゃうからね」と返され、そうだよな〜と思う。

私も、お金がかかっても本を買うことはやめられないし、本がないと死ぬ。私にとって本はパンとバラの中間存在であるのと同様に、弟にとっての洋服はきっと、パンとバラの中間であるのだ。